空間全体の象徴性や調和を作り出す
石組(いしぐみ)・岩組(いわぐみ)の魅力は、日本庭園や自然風景の中で大変重要な要素であり、単なる「石を置いたもの」ではなく、空間全体の象徴性や調和を作り出す芸術性にあります。
自然と調和する美しさ
石は「動かない自然」とも呼ばれ、庭に安定感を与えます。
木や水と違って変化が少ないため、庭の骨格を形作る存在となります。
置き方によっては山岳や渓流、海岸など「大自然の一部」を象徴できます。
象徴性と精神性
庭の石は単なる装飾ではなく、山・滝・島・仏の座などを象徴する場合があります。
禅庭では「枯山水」において水や宇宙を石で表現し、精神的な世界観を示します。
力強さと永続性
岩の質感や形状は力強さを感じさせ、庭に「時間の厚み」を与えます。
苔が付いたり風化することで、年月を経るごとに味わいが深まります。
バランスとリズム
石の大小・高低・角度の組み合わせによって、庭にリズムや動きを作れます。
三尊石組(さんぞんいわぐみ・三つの石を組んで主従関係を示す)や滝石組(たきいわぐみ)など、伝統的な配置法則に基づくと安定感が生まれます。